フランス映画祭2015のフォトレポート。
2日目3本目は、ミア・ハンセン=ラヴ監督作品
『EDEN エデン』。
劇中の時代の音楽から影響を受けて
(ディミトリのTシャツ持ってたわー)
体感してきた世代にはドンピシャな作品。
ゲストは、主演のフェリックス・ド・ジヴリくんと
共同脚本でミアちゃん兄のスヴェン・ハンセン=ラヴさん。
司会の方が
「素敵な音楽がいっぱい出てきました」
とだけ言って、ゲスト2人が登場。
(結局映画音楽のことほとんど触れず…)
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このブログには、あまりネガなことを書かないように…
と心がけてはいるのですが、すみません。
この方、「本当に映画見ていたのかしら…」と
疑問に思うような残念な司会っぷりでした。
同時に矢田部さんの偉大さを改めて感じるひととき。
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音楽素人であるならば、せめて下調べして
背景をもっと深掘りして聞いてほしかったし
限られた時間の中で「それ要らんやろ」
と苦笑するような質問の連発…。
最初のフェリックスくんへの質問が
「そのジーンズ、日本で買ったんですってね!
どこのブランドのですか?そのTシャツはどこで?」
(…映画の質問はよ)
ミア兄へは
「スヴェンさんは日本で何か買われたんですか?」
(…壇上で聞くなや)
と、悪いノリコさんの心の声が響いてしまうほど
映画で盛り上がったテンションも
ヒヤヒヤドキドキなQ&Aでだだ下がりだったのでした。
と言ってももう終わったこと。
フォトレポート、いってみよー
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作品では、20代前半から30代後半まで、
10年以上もの時代を生きる主人公を演じてきたことについては
「主人公・ポールのモデルはスヴェンさんで、
彼自身全然老けてもいないし、ミアとも加齢に伴ったメイクはしないように決めてました。
特に難しいことはなかったです」
とフェリックスくん。
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恐らくアンスティチュの安美さんが会場から質問されていたのですが
最後に引用されていたロバート・クリーリーの詩は
この映画のために作られたのではなかろうか、というくらい美しい。
「ミアと僕は文学の嗜好が似ているんだ」とスヴェンさん。
「彼女の映画は“過ぎゆくとき”を描いているものが多いです。
(引用された詩は)リズムについて書かれた詩で、
音楽だけでなく、人生のリズムの変化についてのことでもあるからです」
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共演者には、ぼくらのヴァンサン・マケーニュも!
そして女優陣もポーリーヌ・エチエンヌ
(『2つの秋と3つの冬』でヴァンサンと共演してた)、
グレタ・ガーヴィグ(『フランシス・ハ』)、
ローラ・スメット(『愛の残像』出演、
ジョニー・アリデイとナタリー・バイの娘)、
ゴルシフテ・ファラハニ(『チキンとプラム』の美人)
と超絶豪華。
中でもグレタ・ガーヴィグについて聞かれると
「オファーしたときは、もうすでに彼女はアメリカで大スターだったので
エージェントに“役が小さすぎる”と言われたんだけど
グレタがミアの作品が好きだからと引きうけてくれたんです」と
スヴェンさん。
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自分自身がポールのモデルになっていることについてスヴェンさんは
「この作品は自分自身の人生について描いているのではないんです。
“音楽と90年代の若者たち”についての映画をミアが作りたいと考えていて、
偶然、自分がその時代そのシーンにいたことから協力を持ちかけられたんです。
そして自分の経験を語っているうちに、共同脚本というかたちになりました。」
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さらにフェリックスくんを選んだことについては
「オーディションで選びました。
彼は演技が素晴らしかっただけでなく、
90年代当時の若者が持っていたエネルギーがあって、
音楽についても詳しかったので。」
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司会「フェリックスさんは俳優さんが専業ではないんですよね」
フェリックス「Non」
司会「俳優以外にもお仕事されているんですよね」
フェリックス「Oui」
(…なんやねん!)
司会「実業家と言う一面もお持ちで。」
フェリックス「Oui」
(…引き出せや!)
思わず似非関西弁で突っ込みたくなるくらいのやりとり…
司会「“フランスを動かす50人”の一人に選ばれたんですってね!」
フェリックス「そんなん初めて聞いたけど」
司会「じゃあ覚えて帰ってください」
フェリックス「う、うん…そうだね」
(…ぐあああああああああ!)
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「失敗を重ね、借金まみれで定職に就かず…
この“痛い”主人公に共感できますか」という質問には
「この映画は“成功と失敗”を描いているのではなくて
“困難に抗う”姿を描いているんです。
成功か、失敗か、というのを判断すのは第三者で、
自らの目的に対してどこまで進めるのか、を描いています」
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「最近のフランス映画にはアメリカ文化が浸透していて
抽象的でなく、具体的(生々しい?)な作品が増えてきているように思いますが」
という質問に対しては
「この作品にはアメリカの音楽も多く出てきます、
フレンチタッチ(フレンチ・ハウス)の軌跡を描いています。
フランスには昔から、アメリカ、特に黒人音楽に対する愛がありました。
その伝統も表しているとも思いますし、
同時に、二つの国の伝統の絆がいかに美しいものか、を表しているのではないでしょうか。
(最近のフランス映画が抽象的ではないことについては)
フランスは難しい時代を生きてきているので、
映画も自然とそうなってきたのではないでしょうか」
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ちょっと不機嫌かな?と思ったフェリックスくんですが、
サイン会ではすごく上機嫌で、どういうわけか何度もサインしてくれました☆
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